第2章 2人の松野
数日立ったある日、クラスの委員を決めることになった。
「じゃあまずは学級委員からだな……男女1人ずつでやりたいやつは挙手しろー」
担任の先生がそう言うと、真っ先に手を挙げる生徒がいた。
「おっ、松野。お前やるのか?」
手を挙げていたのは六つ子のうちの1人、松野おそ松。松野くんは立てと言われてもいないのに立ち上がり、
「はい! なんてったって俺はカリスマレジェンドになる男ですから!」
と手のひらをグーにし、胸に手を当てて言い張った。その発言を聞いてクラスはざわめき出した。
(何カッコつけてんだか……)
私も呆れながら松野くんの方を見た。