第1章 7人の松野
4月。入学式終わりのHRにて、担任の先生からこのようなことを言われる。
「えー……今年入学してきた学年には松野という苗字の人が7人います。しかもな、6人は男子の六つ子だ。そしてもう1人は女子の松野。ちなみにこのクラスには六つ子の松野はおそ松が。後女子の松野がいてな。だから皆、特に六つ子の間違いには気をつけろよ」
その担任の先生からの話にクラスの生徒はざわめき始め、私たち松野の方を見ていた。私自身はその視線にうなだれていた。
(最悪だ……なんでよりによって私は松野という苗字で生まれてきたんだか……)
私が入学した高校の同じ学年には担任が話していた通り、六つ子がいる。しかも苗字は松野。私と同じだ。
(絶対これってからかわれるやつだよな……印象最悪。せっかく高校デビューしようと思ってたのに……)