第56章 おそ松くんからの告白
「あのさ……これ、あの時の俺とおんなじじゃね。松野ちゃんと映画行った時と。俺もあの時、松野ちゃんに好きですって言われたじゃん。でも好きって俺のことじゃねーと思ってたから。なんで俺なんだろうって。だから心の中では松野ちゃんが俺に告白なんてありえねーってなってさー……」
おそ松くんからの色々な感情を抱きしめられながら聞く私。緊張のあまり、耳に入ってきていない。が、
「松野ちゃんはチョロ松には渡したくねーって思って恋心に気づいた。てかさ、せっかくの勇気振り絞った告白に気づいてもらえない気持ち分かった? まあもういいけど……それで返事まだ聞いてねーんですけど?」
とおそ松くんは言い終わると私を抱きしめていた手をそっとゆるめ、顔を見合わせる。目があう。私は頷き、
「はい」
ようやくこの2文字を言うことが出来た。好きな人に。