第56章 おそ松くんからの告白
体育館を飛び出してから私たちは走り、使われてない教室へこっそり忍び込んだ。あの時……4月に先生たちから逃げた時同様、息切れが激しかった。
「はぁ……はぁ……ここなら誰もこないよな……」
とおそ松くん。私は、
(えっ、なに……さっきの好きって……告白? えっ、よく分かんない……だって好き? えっ……)
と心の整理が全くつかない状態だった。その私の考えをおそ松くんは一瞬で、
「あのさ……好きなんだけど」
とぶち壊した。
(だから……えっ……)
私はその場でおそ松くんを見たまま固まってしまった。頬は熱く感じる。その後、お互い少し黙ってしまった。が、
「あーもう! 気づけ! バカ! 好きなの松野ちゃんだから! 俺と付き合ってくれませんかっ!」
その言葉を聞いてはっきり確信へ変わった。私は、
「おそ松くんが私を好き……」
と受け入れられない状態。すぐに、
『はい』
と言えばいいものを。
「あぁ、もう!」
すると突然、私はおそ松くんに抱きしめられた。