第52章 頑張ってね、松野ちゃん
秋休みが終わり新学期。10月は文化祭がある月である。私たちのクラスは話し合いの結果、スタンプラリーをやることになった。ちなみに、ここ最近のおそ松くんとの関係は曖昧なところである。
『すきです……』
『気づけ! バカ!』
私のこの二言で関係がおかしくなってしまったことに代わりはない。ただ想いを伝えたいだけなのに、どうも上手くいかない。秋休み明けの新学期におそ松くんとは席が近いのですれ違うことはあっても話さない。文化祭の出し物を決める時でもそれほど話すことなく決まっていった。それを見兼ねていたのか、
「大丈夫?」
と女の子がおそ松くんがいなくなった放課後、教室で話しかけてくれた。私は普通な表情で、
「なにが?」
と聞く。それを見て溜め息をつく女の子は、
「なにがって……」
と言ってから私を無理やり外へ連れ出した。