第52章 頑張ってね、松野ちゃん
学校近くのファミレスへ入り、
「ここなら話せるね……でなにがって……おそ松くんのこと!」
と女の子は強気で私に迫る。
「えっ、あぁ……それが……」
とためらう気持ちはあったが、ここまで親身になって話を聞こうとしている親友に嘘はつけない。チョロ松くんのこと含め、秋休みにあったことを全て話した。それを聞いた女の子は、
「バカか、あの松野は」
と飲み物片手に言い出す。
「バカって……バカだけど」
私は否定はしなかった。
「けど、松野ちゃんもちゃんと伝えないと……」
と言われる。私は、
「だって……公園だったし恥ずかしかったし……」
「それでも、気づけバカって公園で言って帰って来る方が、私なら恥ずかしい」
と女の子は釘を指す一言。けど、
「でも、ちゃんとまた面向かって話さないとね」
と優しい一言。その言葉に私は、
「もちろん……伝えてフラレるならちゃんとフラレてくる!」
と決心。呆気無く女の子に説得されてしまった。
「フラレるって……そんなことないよ。頑張ってね、松野ちゃん」
女の子は飲み物片手にそう伝えてきた。