第51章 鈍感おそ松くんに松野後悔
私は家へ帰るために駅へ走った。そしてホームに着いて落ち着く。振り返ると、おそ松くんの姿はなかった。つまり追いかけてこなかったということだ。いや、さすがにここは駅のホームだ。来てたら驚く。
「はぁ……」
重い溜め息をつく。考えてみるとあれは告白と言えるものだったのか。チョロ松くんに告白された際は、
『すっ……好きです……よかったらおつきあいしていただけませんかっ……』
であった気がする。だけど私の先ほどの告白は、
『すきです……』
そうだ、主語が抜けている。チョロ松くんも主語は抜けていたが、付き合って下さいの押しがあったからこそ自分だと認識出来た。道理でおそ松くんがもう一度聞き直す訳だ。私はその場で凄い後悔をした。その途端涙が溢れそうになった。
(なんでこう上手くいかないんだ……なんで正面から向き合うことが出来ないんだ……)
様々な後悔が浮かび上がる。私は弱い女だ。改めてそう思った。
〜9月編終了〜
next.10月(最終編)