第50章 松野の気持ち
おそ松くんから話が持ちかけられてこない。私は焦り出し思う。
(今がチャンスなのか)
と。だから、
「あっ、あのさ。あの時ホラー系苦手って言ってたらなんて返してた?」
誤解を解くための会話ではなく、他愛もない質問をしてしまった。
「それはね……もちろん他の映画にしてたかな。でも何がよかったんだろう……」
おそ松くんは考える。そして、
「松野ちゃんは何がよかったの?」
質問返しをされた。私は、
(恋愛映画)
なんて言えるわけなく、
「無難にアクション映画でもよかったのかな」
と返した。それに対して、
「アクションかー。松野ちゃん、もしかしてそういう系好きだったりする?」
とまた質問。
「いや、ただ無難かなって。そういうおそ松くんはなんなのよ!」
と私は言う。
「俺的にはほんとはなんでもよかったんだよね。ただ松野ちゃんとはどこか出かけてみたいと思ってたし。いい機会だなって。ある意味チョロ松のやつに感謝だわー」
と笑いながら話す。
(つまりは……私と映画行けて嬉しいってこと……?)