第50章 松野の気持ち
ふと思ったことがある。
(一緒に出かけられて嬉しい→嫌じゃない→好意があるかも)
私の頭の中では勝手にこう変換されていた。だからこそ私は、
「じゃあさ、恋愛映画とかは?」
と先ほど思っていたことを念のために言ってみた。
「えっ、恋愛系? んーまあ嫌じゃねーけど……でもそれって俺と見ていいもんなのかね……」
と焦って話すおそ松くん。私はまた心苦しくなる。
(きっとまたチョロ松くんとのことだ)
今度こそ、
「私が好きなの違うよ」
「えっ?」
おそ松くんは私の発言にきょとんとしていた。
「待って。違うって一体どゆこと?」
もう言ってしまおう。
「あの補習の日、チョロ松くんと偶然会って先におそ松くん帰っちゃったじゃん。でその後、チョロ松くんと話したんだ」
おそ松くんは私の話を静かに聞いてくれている。その後私は話を続けた。
「まず告白のことは断った。他に好きな人いますって言って。で映画はなしになったのよ」
「そうだったんだ……」
おそ松くんは静かに口を開く。
「なんか俺めっちゃ誤解してたじゃん……それで好きな人他にいたんだな」
と言ってくる。
「で結局は誰が好きなんだ?」
その後、ストレートに質問された。私は言われた途端凄く顔が真っ赤になった。むしろここから逃げ出したい。だが、
「すきです……」
言ってしまった。