第50章 松野の気持ち
映画が終わってから、私たちは映画館近くの公園のベンチに座って休んだ。周りを見ると、同じ秋休み中なのか学生がいたり、昼間の晴れた午後なのでお年寄りが散歩を楽しんでいた。
「改めてだけど……大丈夫だった?」
とおそ松くんは私に話しかける。私は、
「まあ……実際後半の方は目瞑ってた」
と話す。それを聞いておそ松くんは、
「そっか。いやーでもね、手ぎゅっってされた時は焦ったけど……なんかごめんな。俺があの時気づいてれば……」
と言う。私はおそ松くんに迷惑をかけてしまったようだ。
「こっちこそごめん。あの時ちゃんと言えばよかった……」
お互い謝罪をした。その後少し沈黙が続く。