第49章 おそ松くんと映画館へ
「手繋いでいい?」
(えっ?)
もはや私は驚きを声にすら出せなかったが、その後おそ松くんは話を続けてくれた。
「さすがに今から出るのはなんかなーって思うしさ。手繋げば少しは楽になるかなって。ほら、あん時の水族館みたいに急になんかやったら怒るだろ? だから一応聞いてみたんだけど……」
おそ松くんの優しい対応に、
「じゃあお言葉に甘えて……」
と言ってからおそ松くんの手を握った。その温もりに浸るようにスクリーンの方に目を向ける。その後おそ松くんは、
「嫌になったら離してもいいし、いざとなったら寝てれば問題ないからな」
と小声で伝えてくれた。私は、
「ありがとう……」
と伝えた。そして映画は始まりを告げた。