第49章 おそ松くんと映画館へ
席は無事に取れ、あっという間に映画開始10分前となっていた。席に着くと、
「いやー、なんか面白そうじゃね?!」
とウキウキのおそ松くん。それとは真逆に私は青ざめるような顔になりかけていた。まだ館内の光は消灯していなかったためおそ松くんは私の顔を見て、
「えっ、大丈夫!? 松野ちゃん」
と声をかけてくれた。実際私はもう怖いとも言えずただ、
「うん……」
としか言えない。しかし、
「いや、絶対大丈夫じゃないでしょ……あっ、そうだ」
とおそ松くんは、
「手繋いでいい?」
と聞き手を差し伸べてきた。