第41章 松野たちの補習 part.2
話していると時間もあっという間。私は残り10分で始まる科学の補習に向けテスト内容を確認していた。しかしおそ松くんは腕を組み頭を机へ付け寝そべっていた。実に数ヶ月前もこんな状態だった気がする。私は、
「あのさ……やる気はあるの?」
と聞いた。おそ松くんは、
「あるわけねーじゃん」
とそのままの体勢で言う。それをまた見兼ねた私はそっと、
「ほら」
と問題用紙を渡す。おそ松くんは同じ体勢のまま私の方をチラッと見たが、
「いや、今はいいよ」
と言う。
(えっ……)
私は耳を疑った。この前は、
『マジでー! うわっ、めっちゃ嬉しい!』
と言って問題用紙を見ていたはず。
「なんで?」
私はおそ松くんに問う。
「だって今見てもどうせあの時と同じだしー。それなら早く松野ちゃんが終わらせた方がチョロ松と遊べるだろ」
と言う。おそ松くんはわざわざ気を遣ってくれたのだ。しかし、
「あっ、でも補習終わったら貸してね」
とおそ松くんは最後に付け足す。
「はいはい」
と私はおそ松くんの言葉を受け入れ、そう言いまた問題用紙へと目をやった。