第41章 松野たちの補習 part.2
「そういえばこうしてちゃんと話すの久々じゃね? 夏休み終わってからもこう話す機会もあんまなかったし」
とおそ松くんは言う。確かに花火大会以来会ったり話したりということがなかったし、夏休みが終わってもお互い席は近いのに挨拶はしたとしても面を持って話すことはなかった。もしかして無意識に私がおそ松くんから遠ざかっていたのかもしれない。でもそれなら向こうから話しかけてくるに違いない。きっとそれは私が思っているだけだと思い込もう。おそ松くんも見た限りだとそうは思っていないはずだし。
「そうだね……」
と静かに私は言う。
「あの後チョロ松とは何かあったの?」
おそ松くんは私が避けていた話題を普通に話す。私はまた改めて冷静となり、
「まあ……映画行こうって誘われただけかな」
と話す。もう告白のことがバレているのなら私はおそ松くんに対して隠し事はやめた。そしておそ松くんは、
「そっかー……でも補習大変なんじゃね? 終わったらってことか……まあ、あいつのためにも早く終わらせないとな……!」
とニッと笑うように話してくれた。やはりおそ松くんには私がチョロ松くんのことが好きと認識されているのかもしれない。それなら今告白しても信じてもらえる自信がない。というか今告白することもない。ここはぐっとこらえて時を待つことにした。