第6章 おそ松くんの弟
「あれ、隣の子は?」
彼は私を見てそう言った。私が話そうとした矢先、おそ松くんが、
「あっ、この子はな……俺のクラスの子で同じ学級委員やってる松野ちゃん!」
堂々と言い張った。それを聞いて、
「おそ松兄さんと学級委員ね……随分と大変なこと……」
(充分承知です)
「てか同じ松野って苗字の子は君だったんだ。前に担任の先生から聞いてたからさ。ちなみに僕は六つ子の1人で名前はチョロ松です。兄弟で言うと三男かな。だから僕にとって、おそ松兄さんは……一応兄さんなんだよね……」
「おいっ、一応ってなんだよ!」
チョロ松くんが話している最中にも関わらずツッコむおそ松くん。
「だって兄さん、そんなに兄さんらしくないんだもん。だから一応なの、一応。てなわけで松野さん、君も学級委員ってことは今後委員会とかで集まったりする時に会うかもしれないよね。その時はよろしく」
「こちらこそ……」
(とは言ったものの……分からない)
入学してまだ数日しか立っていない上に、今日初めておそ松くんとまともに話した私。それにプラスしてチョロ松くん。流石に今すぐに見分けがつくわけではなかった。