第6章 おそ松くんの弟
「さっ、そんなことより早く帰ろうぜ。松野ちゃんは家どこ?」
おそ松くんはそう言ってきた。
「えっ、私電車に乗らなきゃなんだけど……」
と言う。
「えっ、マジで? 俺ら駅と住んでるとこ逆方向だわ……」
とおそ松くん。私は、
「そっか……」
と呟く。
(せっかくなら一緒に帰りたかったな……)
なんてそんなことが言えるわけでもない。するとおそ松くんは、
「じゃあさ、チョロ松は先家帰ってて。俺は松野ちゃん駅まで送るから」
なんと駅まで送ると言い出した。
「えっ、おそ松兄さんが!? でもまあ……1人で帰るよりはましだよな。うん、分かったよ。もう暗いから松野ちゃんも気をつけてね。それじゃ」
とチョロ松くんも賛成。そして先に昇降口から出て行った。
「よし、じゃあ帰りますか」
そう言うとおそ松くんも昇降口の方を出て行った。
(待って……なんでわざわざ駅まで送ってくれんの……)
嬉しい反面、複雑な気持ちもあった。