第32章 チョロ松くんとの花火大会
「よし、じゃあ戻ろう」
と私は言ったのだがチョロ松くんに、
「あっ、ちょっと待って……」
と止められた。やはりらしくない。普通なら
『うんそうだね。花火間に合わないから』
とか言って一緒に向かいそうな気もするのに。私は、
「えっ、なんで?」
と問う。
「えっと……その……」
そこにいたのはいつものチョロ松くんではない感じに見えた。
「ちょっと、大丈夫?」
私は急な出来事で少し戸惑った。もしかしたら具合が悪いのかもしれない。
「あの……多分もう2人っきりになれるチャンスってないよね……」
(えっ?)
「だからね……」
私はその言葉の意味がどういうことだかさっぱり分からなかった。そして少し間が空いたところで、
「すっ……好きです……よかったらおつきあいしていただけませんかっ……」
まさかの告白だった。