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烏野高校のマネージャー

第1章 勧誘


私が名前を言うと、彼はニコッと笑って私に尚も話しかけてきた。


「そうか!良い名前だな!あ、俺のことは翔陽でいいからな!宜しくな!」


『え…あぁ………うん?』


「おい何だよその元気ない返事はー!ほらほら、笑え!」


『…………翔陽って元気ね』


「そうか?」


気のせいではない筈、彼は誰が見ても煩い程元気であった。


でもそのお陰で、何だかクラスの雰囲気にも溶け込めて、翔陽以外の人も私と話してくれたのだ。


関わらないようにしてたのに、何て言うか翔陽って凄いなぁなんて、今はまだこのくらいの意識だった。


それでもこの時からすでに、私は"あのバレー部"と関わりを持ってしまっていたのだ。


そう、烏野高校男子バレー部と…。


────────────────────


あれから、一週間が立った。


クラスでは相変わらず翔陽と一緒にいて、でも他の人とも普通に話せるようになっていた。


そして今日も風が心地良い中翔陽は机にぐでっとなりながら私に愚痴を吐いていた。


「なぁー!本当に影山がイラッとくんだよー……そりゃ菅原さんとか田中さんは朝の練習毎回付き合ってくれるし優しいけど……影山がぁぁぁ!」


『うーんもう翔陽煩い。それに、私に言われても誰が誰なのか全く分からないし』


この一週間で、実は色々あったのだ、翔陽に。


まず翔陽はバレー部に入部届けを出して、中学の時のライバルが同じ高校に来たことを知ったらしい。


そしてまぁライバルとだけあって色々もめた結果教頭のヅラを吹き飛ばしたということで、バレー部の主将さんに体育館を追い出されたのだとか。


そして、中に入れてもらえるように、今度試合をするのだと。ほんと、簡潔に言っちゃうと。


『……で、その影山くんって人が嫌な訳か』


「そうなんだよ!横暴だしすぐ怒るし鬼だし!」


………翔陽がここまで言う人だ。


逆に凄いとまで思ってしまった。だけど、それでも何だかバレーが好きなんだなって改めて実感して、私は小さく微笑んだ。


いいなぁ、何かに必死になれるって。


私には特にこれと言った目標とかがないから。


少しだけ、翔陽が羨ましかった。







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