第1章 勧誘
そして、練習に加わる菅原さんを見てから再び私は練習する皆を見てみた。
大丈夫、菅原さんに言われた通りゆっくりと信頼を築いていけばいい。
そんなすぐには信頼なんて築けないだろうから。
そう考えてもう一度気合いを入れ直した。
と、その時──
───────ガンっ───────
『っぃたぁ!!』
なんと、私の頭に勢いよくバレーボールが当たったのだ。
それに気づいた皆が焦って心配してくれる。
「うわぁ大丈夫か!?」
「可愛い可愛いちゃんの頭にボールがぁぁあ!!」
「おい大丈夫か?」
「あちゃー…平気か?」
「ひーっ、ツッキーのボールだよね!?」
翔陽、田中さん、澤村さん、菅原さん、山口の順に皆して声をかけてくれる優しい人達。
一番近くにいた翔陽が慌てて私の頭に手を被せてきた。
「ほんとに大丈夫か!?痛い所は…?」
なんて言いながら自分も痛そうな顔をしてくれる翔陽に私は笑いかけた。
『平気だよ翔陽』
「んー………」
安心させようと笑っても、翔陽は余計に心配してきた。
にしても、さっきの山口の言葉によると、このボールを当ててきた張本人から謝罪の言葉がない気がする。
その時、私の前にのこのことやって来た月島。
そして
「あれ~、ごめんちっこすぎて人いるの気づかなかった~」
─ブチッ─
いらない一言をはいた月島に、短気な私はキレました。
『…謝罪はないの?』
「えー、だって謝罪する人なんていないデショ?どこどこ~?」
『…………………………月島…………』
「あれ、怒っちゃった?」
『…………えぇ怒ったけど!?』
………こうして、月島対私のプチ戦争が始まってしまったのだ……
そして、分かったこと。
月島は、"かなり"ムカつく奴である。