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とある双子たちのお話

第1章 実渕玲央の双子の話



「え!?
それって、あの可愛い子じゃん!!
ちゃん!!」


謎はすぐに解決した。


「あぁ、てめーが何度も雑誌持って来ては見せてくるからな」


岩泉は、嬉々としてバッグから雑誌を取り出した及川を睨みつけながら答えた。
それならば納得。
うんうん、と首を縦に振りながら、及川が持って来た雑誌を横取りすることにした。

「莉央ちゃん!やめて!
この雑誌もう世には出てないんだから!
幻なんだから!」

「あー、そうですか」

及川からの言葉は流しながら、付箋で貼ってあるページを開くことにした。


「…」


バスケ部強豪校の紹介と共にマネージャーの紹介までされているその姿は、いつも会う時の笑顔の幼馴染。
先週、帰省した際、予定が合わず会えなかった彼女だが、すぐに連絡してくれて。
今度の休みにこちらに遊びに来てくれることになっていた。
可愛くて仕方がない大事な幼馴染。


「うわー
敏腕マネージャーだってさ」

「運動神経抜群で、現キャプテン赤司征十郎(1年)から誘いを受け、マネージャーに…
って、1年経ってないのかよ!」

「おい、これ合ってんのかよ」


岩泉の問いに、莉央は即座に頷いた。
間違いはない。
自分たち双子と共に育ったのだ。
バスケバカとバレーバカ。
2人の練習に付き合っていたらそれなりに上達するわけで。
下手すら目の前にいるメンバーも力を抜けば負けるだろう。


「うわー!!
もっとその子のこと知りたくなっちゃった!」

「…たぶん、てか。
のやつ、及川サンに靡かないっすよ
てか、絶対に」

「え?そこまで言っちゃうの?」

「言いますね。
のことを誘った赤司征十郎は、赤司財閥の御曹司。
所謂お坊ちゃんですよ、かなりのボンボン。
の上に、イケメン、スポーツ万能、成績優秀。
1年で生徒会長、どこかの誰かさんより役に立つキャプテン。
抜け目ないですよ」

「うわー…」

「負けだな
てか、勝負にすらならねー」

「で、でもアイドル的なのは!」

「無駄ですよ。
バスケ界に本物のモデルいますよ。
黄瀬涼太。
ツーショットとか送られてきますよ?」


ほら、とから送られてきた画像を及川に見せつけるように携帯を向ける莉央は、いい意味での笑顔で。
及川は悔しそうに顔を歪めた。
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