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とある双子たちのお話

第4章 黄瀬涼太の双子の話



「まぁ、決めてあげなきゃだけど…」

「…燈華」



慶太の言葉に思わず顔を上げた。
燈華。
まるで…



「KeIちゃん、それ被るよ!」

「そうそう」

「あぁ、確かにそうですね。
被ってしまいます。」



被る。
何となく冷や汗が流れ出すは、被るとはどういうことなのか聞き出すことにした。



「今度ね、俺たちノースシーロードプラスワンが
youtubeで有名なMiracoloと対決!
そのMiracoloの中に燈華ちゃんって子がいるんだよ
女の子ね」

「あぁ、だから被ると…」

「別に今回はいいでしょう?
対決前の事前練習ということで、今回のリハーサルを行うんですから」



思わず頭を抱えた。
黄瀬家の双子の兄は頭が良いと思っていたのだが、どうやら間違っていたらしい。
同じ名前をあえて選んだのだ。
もしかすると、身バレしているかもしれない。
そう感じさせる負えない話し方だったのに。
また、ふわりと頭を撫でられた。
この撫で方は…



「えおえおさん…」

「ごめん、ものすごく撫でやすい頭してるから」

「高さ的にも」



あろまからの一言に、思わず睨みつけた。
確かに身長は低い。
彼らと一緒にいると、さらに感じてしまうのだが、そんな彼らより身長が低いあろまを見て、鼻で笑いかけた。



「何となくだが、お前が俺を笑おうとしたのはわかるぞ」



そう言って近寄ってきたあろまから、えおえおの後ろに回り込んで、離れてみた。



「おい、あろま
大人気ない」

「ちっ」



さすがに大人気ないとまで言われると、あろまは舌打ちして離れていった。
安堵の溜息をつき、えおえおの前に立った。



「ありがとうございます」

「ん」



そう言って撫でられる頭に満足して、慶太の側まで歩いて行くと手を握っていた。
笑顔を浮かべる慶太に、もつられるように笑顔を浮かべていた



「可愛いな」



そう呟いたのは誰なのか。
わからないまま。

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