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とある双子たちのお話

第2章 赤司征十郎の双子の話



「しろちゃん?」

「…」



思った以上に強く抱きつかれ、背中を征十郎が支えてくれてなかったら倒れていたに違いない。
首に顔を埋められ、身動きが取れない。
苦笑しか浮かべられないが、頭を撫でると少しだけ身動きしたが、離れはしなかった。



「統四郎、が困ってる」

「征十郎はいいよなー
毎日一緒だもんなー
俺も一緒がいいのになー」

「しろちゃん…」



クスクスと笑みを浮かべる幼馴染に、統四郎はさらにぎゅっと力強く抱きしめた。
わかってる。
双子の兄より、自分は幼稚なのは。
だけど、神奈川と京都。
互いに強豪校の部活に入っているとなると、会うにもなかなかタイミングが合わないのだ。



「てか、ここ女の子多いッスねー」

「テニス部だからだろ」

「テニス部にはファンクラブなんてものも存在してるらしいから」

「うわー…
そう考えると野外の部活じゃなくて良かったかも…」

「…今さっきから視線を感じるが?」

「そうか?
それよりも飯行こうぜ、飯」



ざわざわと騒ぐメンバーに、統四郎は溜め息をつきつつ、を離した。
笑顔を浮かべる彼女に、ふと笑みが出てきて額にキスを送っていた。
だがそれと同時に悲鳴が聞こえてきた。



「こえー…」

「統四郎」

「わかってるって」



互いにコンタクトを送り、荷物を取りに向かうため、また人混みの中へと戻っていった。
顔を赤くするを征十郎は抱き寄せ、胸に顔を埋めさせた。
ぎゅっと掴んでくる服に、頭を撫でつつ、愛しさを征十郎は感じていた



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