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とある双子たちのお話

第2章 赤司征十郎の双子の話



結果が出るのは、そこまで時間がかからなかった。
あの後、赤司は疲れを見せない姿でプレイ。
まるで、今から試合に臨むような体力ぶりに翻弄され、幸村はタイブレークの末負けてしまった。
肩で息をする幸村に、赤司はまだ余裕を残していた。

赤司は頭を下げると、そのままコートの出口へと走り出した。
その手にはいつものようにラケット。
コート出口に集まっている女子たちの黄色い声援を無視しつつ、もみくちゃにされようが、いつもだったら睨むはずなのに、いつものように行動を起こさない赤司にレギュラー陣は首を傾げていた。



「お疲れ、精一」

「ハハ…
本当にすごいよ、彼は」

「うむ。
一気に変わったものだ」

「なんじゃ、しろちゃん、がんばれと聞こえよったが」

「しろちゃんとは…
赤司くんではないでしょうか?」

「幸村部長の後ろ側を見て、元気取り戻したみたいっすけど…
え?」



切原の視線の先には、赤司と、赤司がいつも大事にしているラケットを同じ赤髪の青年に投げ渡ししている姿に、そして少女に抱きつくその姿は、レギュラー陣とともに外で見守っていた親衛隊からも驚きの声が上がっていた。



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