第2章 赤司征十郎の双子の話
苦しくなってきた。
これが、王者立海を率いる部長なのか。
深く息を吐いて、ラケットを握りなおした。
まだ終わっちゃいない。
だけど、身体は終わりを期待している。
レギュラーは獲得したのだ。
もう戦う理由はすでにないはずなのに、頭ではそれを否定する。
まるで、双子の兄みたいだ。
零れ落ちる笑みに、もう一度大きく息を吐いた。
まだ余裕はある。
負けることなどあり得ない。
改めて、俯いていた顔をあげると、幸村部長の先に見えた双子の兄と…
「しろちゃん!!!
がんばれ!!!!」
大事な幼馴染の精一杯の声援と笑顔に疲れは飛んだ。
あぁ、これなら
「勝てる」