第2章 火曜日
「はあ?誰の真似もしてませんけどォ?完っ璧オリジナルですよ、俺はァ」
「アハハ、マガジンイチゴ風味だな。ははは」
「テンメェらァ・・・・」
マガジンをティッシュでせっせと拭きながら、土方は忙しなく二人を睨み付けた。
「死ぬかくたばるか息の根止めるか、どれでも好きなコースを選びやがれ、ああ?」
「全部同じゴールじゃねぇか・・・。警察来たと思ったらバカかよ。ガックリ来るな」
「止めなよハットリくん。来たくもねえ見舞いになんか来てケツの穴のデカいとこ見せようとして、反ってケツの穴の小せえとこ見せちまった哀れなポリスマンを苛めるモンじゃないよ?あんま苛めるとマヨネーズかけてくるからね、コイツ。キューピーとか味の素とかCGCとか無尽蔵に捻り出してくっから。そんなん食らったら脇の下より酸っぱい臭いになるって。コレステロール値も右肩上がりンなっちまうよ?や、左肩でもいんだけどね?上がってっ事に変わりねえからね。大体ハッキリ言ってマヨネーズなんかどうでもいいしね、俺」
「俺はお前らがどうだっていいわ」
ギギと二人から顔を反らして、全蔵は窓の外を眺めた。
「どうだっていい事あるか!弁償しろ、これェ!!」
「何だよいよいよケツの穴のちっさい事ぬかしやがって、あんまり根詰めてちっさくしてっと挙げ句にゃふさがっちまうぞ、大事な穴が。糞詰まりおこしてエライ目にあうよ?あれああ見えて要らない穴じゃないから。無くなったらウンコが行き場を求めて全身巡礼の旅に出るぞ?うわ、こわ。怖いわぁ」
「やめろモジャモジャ。実は俺への当て付けか?尻と穴の話は止めろ。聞いてるだけで痛くなってくるわ」
「尻なんざどうだっていいわァ!弁償しろっつってんだよ、おいィ!!!」
「何だよ、明日にゃ新しいのが出んだからもういいだろ?どんだけ読み倒す気ィしてんだよ。オーバーワークさせ過ぎだぞ、お前。もう勘弁してやれよ。イチゴ牛乳に溺れて息を引き取るなんて最高だよ?銀さんもかくありたいねえ、いや、ホント」
「明日にゃこのマガジンはなくなっちゃうだろォがァ!新しいのが出んだからよ!テメエ俺のバックナンバーに穴空けようってのか、あ"あ"!?」
「・・・・何やってんだ、この男前は。こいつも残念系か。すげェ流行ってんだな。お前火事と地震には気を付けろよ。マガジンに留め刺されるぞ?」