第1章 目が覚めたら病院でした
兄ちゃん!見てみて!すげー点取ったよ!新記録だあ!!あはは!
聞こえるのは弟の楽しそうな声だ。
兄ちゃんだってオレには勝てないね!
夢を見てるんだろうか。
今頃何をしてるのかな…。
楽しそうな声はまだ止むことはない。
呑気なもんだ。
んー神童キック力無いなあやっぱ太陽に入れ変えようかなあ…
そうだ弟は良くそんな事を言っていた。そして大好きなイナズマイレブンっていうゲームの話を良くしてくれた。
特に今は剣城ってキャラが好きで、シュートがカッコいいらしい…。
って違う…、そうだ今の弟の言葉。
神童キック力無いなあ
神童…たしか何かワカメみたいな髪型のイケメンキャラで…金持ち…だったような…。
そこで先程会った少年の顔が出現した。
驚くほどそっくりだ。何から何まで。
世の中には同じ顔した人間が三人いると聞いたことがある。
しかしそれはゲームのキャラも当てはまるものだろうか…。
…………
………
……
チュンチュンとありがちな小鳥の囀りが聞こえる。朝だ。まだ起き上がれるほどに回復していない俺は、昨日と同じく首だけ動かし窓の外を見た。まだ薄暗い空。時計を見るとまだ5時半だ。
朝ごはんには早い時間。…というかこんな時間に起きたのは初めてだと思う。
それもそうだろう、昨日寝たのは7時なのだ、これでも10時間は寝た。寝すぎてまだ眠い気さえする。