第3章 幼稚園編
幼い頃の時間はこんなに早かったと思うほど、あっという間に3年という歳月が経った。
幼稚園に通うようになって初めて認識できたのが、ここが日本で間違いないこと。
ただし人々の目や髪が異様なほどカラフルだったが。
両親が日本人だったとわかった時の衝撃は計り知れない。
基本的なこと(ただし髪色等は除く)は前世と同じ、もしくは多少科学が発達している程度。
テレビに映るのはやたらとバスケが多いのと、カラフルすぎるのが特徴、か。
「乃亜ちゃん、おそといこうよー」
おっと、幼稚園にいることを忘れるところだった。
日当たりがよく、なおかつ外が近い入り口付近で座り込んでいたのだ。
誘ってもらったのは嬉しいが、さすがに子供特有のあの無邪気さや、テンションの高さにはついていけない。
「わたしは、いいや」
「わかったー! またねー」
しかし、まぁ。
「バスケやりたい。けど、眠い」
私がいる場所は、太陽の光のおかげでものすごく暖かい。それに加えて、春真っ盛りの気温で、非常に眠気を誘う。
「ふ、わぁ……」
この後、一人でバスケをするつもりだったのに、眠気には勝てなかったか……。
ずるずると身体から力が抜けていく。
(あったか……)
気がつけば、とろとろと昼寝を始めてしまっていた。