第2章 プロローグ
私には、わからない。
どうして転生したのが、私だったんだ?
不安で不安で、仕方がないんだ。
時が過ぎるにつれて薄れていく前世の記憶。すでに友の声は思い出せなくなってきた。
自分が何者であったかさえも忘れてしまうかもしれないと怯えて。
いきなり知らない人間の子供になった。
当たり前だが、身体が思ったよに動けなくて。世話されるのが恥ずかしくて、嫌で嫌で。
あの時、私が非日常を求めなかったら。戻りたいなんて思わなかったら。
私は、まだ。生きて入られたのか……?
なぁ。誰か!
頼むから誰か、助けてくれ……!
心の悲鳴は、届かない。誰も、知らない。