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七人目のキセキ 【黒子のバスケ】 ※修正後

第2章 プロローグ



温かい水と、心地よいリズム。
全てが眠気を誘う場所は、遠い、いつかの記憶。

(そうか……ここは)

人間が生まれ、いつか還る場所。誰しも知っているのに、忘れてしまっている、始まりの記憶。

ふわふわと漂いながら、光を見る日を待っている。
一度眠気を感じてしまえば、争うことはできはしない。

(何も考えなくていい……)

自分が何者であったかなんて、小難しいことも。世間の辛さも、何もかも。
浮上したはずの意識が、また深い闇に戻っていった。



気がついたらーーーー

眩しさと、誰かが喋る声に反応して、まぶたが開く。
背中は、ふかふか。

「ふぇ? (は?)」
「あらぁ! パパー、乃亜ちゃんが起きたわーっ!」

ぼやけた視界でもわかるほどの、キラキラを放った美女。
美女の言葉に駆けつけてきたのは、これまたキラキラ、イケメンさん。

「あうあう! (誰だ、この美形さんたちは!)」

手足を動かす私のことを、微笑ましそうに見つめる、恐ろしい美形ふたり。
ジタバタと身体を動かして、ようやく異変に気がつく。

(身体が、小さくなっている……!?)

自由に動かない手を伸ばして、顔の前に持ってくる。
どうやら私は。

「やぁうー! (転生というものを、してしまったみたいだ……!)」
「ごきげんねぇ」
「本当、かわいいね……流石僕と君の子供だ!」
「あらあら」

取り合えず、顔が近いぞ。お二人さん。
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