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七人目のキセキ 【黒子のバスケ】 ※修正後

第6章 小学校中学年編




「ねぇねぇ、こんなのはどうかしら?」
「奥様! それではお嬢様の御髪と同化してしまいますわ!」
「それでしたらこのお色はどうでしょう?」
「綺麗な青ね……でも背伸びし過ぎではないかしら?」

先程から代わる代わる渡される様々なデザインのドレス。
ドレスなんて着る機会がなかったから、どれだけ凄いものかなんて事はわからないんだが。
これは安いものじゃないよな……

どれも手触りはとても良くて、なめらか。
レースやフリルは惜しみなく使われていて、それでいて品が良い。
だが、非常に神経をごりごり削られる。

「母さん……まだか……?」

情けない声が出てしまうのもしかたがないと思う。

疲れ果てた声を出していることに気がついたのか、申し訳無さそうな顔を出した。

「ごめんなさいね。ちょっと興奮しちゃって……これ、最後にするから着てくれないかしら?」

申し訳無さそうな顔をされると、こっちが悪いことをしているような気になる。
美人っていうのはつくづく得だよな……自分の母親なのだが。

そういって差し出されたのは緋色のドレス。赤というほど明るい色ではなく、ワインレッドほど暗い色ではない。
胸元はレースで飾られたノースリーブのような形で、丈はくるぶしくらい。
スカート部分はやや透ける布を重ね、ふんわりとボリューミーに。
色合いは大人っぽいものの、型やレースの使い方がそれを和らげている。はっきり言ってかなり好みだ。

「可愛い……」
「でしょう? 色々着てもらったんだけれど、結局一番最初に見たものが一番だったの」

誇らしげに笑う、彼女たちの顔がちょっと憎らしかった。
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