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七人目のキセキ 【黒子のバスケ】 ※修正後

第4章 小学校低学年編


一緒に練習してわかったこと。
やはり高尾和成と言う男は只者ではない。

「うまいな……」
「へっ、ありがと、よっ!」

大きく飛び上がって手を離れたボールはゴールのリングにあたって跳ね返った。

「残念だったな!」

久々にこんなに動いた気がする。
頭にしろ、身体にしろ。誰かに教えていることの方が多かったのでな。

「入んねえ〜!」

跳ね返ったボールを掴んだと同時に身体を反転させる。
出された腕から身をよじって逃れ、大きく踏み出した。

「あっ」

足が絡まる。
どうやら頭で考えていた動きに身体がついていかなかったらしい。
目前に迫った地面に、想像される痛みに固く目をつぶる。

「あっぶなっ!」

腕を掴まれ、引き寄せられる。が、私より小さな高尾が支えられるはずも、持ちこたえられるはずもなく、共に地面へ倒れこんだ。

「痛い……」
「わりー…ムリだった……」

寝っ転がりながら情けねぇ……と髪を掻き上げる高尾。

「プッ」

仕草や行動があまりにも子供の身体とアンバランスで思わず吹き出す。

「……笑ったな?」
「いやっ、すまなっ、あははっ!」
「ばくしょうしてんじゃねーか!」

腹がっ、腹が捩れる!
お腹を抱えながら悶える私の頭が、スパーンと叩かれる。

「人のしっぱいを笑うな! マジで、恥ずかしいんだからな!」

顔を真赤にしてこちらを睨みつけられても、怖くもなんともない。
頭もそこまで力を入れられたワケじゃないから痛くないしな。

「すまないすまない。なぁ、そんなに怒るなよ」

おっと、やり過ぎたか。
そっぽを向いたままこちらを見ようとしない高尾に、謝る。
簡単に許す気はなさそうだな……

しかし勢い良く振り返った高尾は、私に指を突きつけた。

「覚えておけ! いつかあんたを持ち上げられるくらい大きくなるからな!」
「くっ、楽しみにしてる」
「また笑っただろう!? 本気だからな!」

負けず嫌いらしい。
祥吾や良とはまた違った反応に楽しくなっていじめすぎたか?

「いつかっ、ぜってー勝ってやるーっ!」

静かなコートに、高尾の叫び声が響き渡った。
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