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七人目のキセキ 【黒子のバスケ】 ※修正後

第4章 小学校低学年編



「乃亜ちゃん……?」

微睡みの中、外から優しい声がかけられる。
ぼんやりとしながら重い瞼を開くと、ぼやけて見えるママさんの顔。

「まま、さん」

ひどくゆったりとしながら撫でられる髪が、心地よい。

「ねぇ、乃亜ちゃん。私達は頼りないかしら?」

何を言っているのだろう。
頼りになるに決まっているのに。

「だけど、悩みを相談してもらえないくらいには、頼りないんでしょう?」

言えるはずがない。
どうせ、信じてもらえない。

「それは、本当に? 話を聞かなければわからないわ」

だけど、信じてもらえなかったら怖い。

「大丈夫よ。私達一族は、あなたのことを否定なんかしない」

信じられない。信じる理由がない。

「理由なんて必要かしら? 誰かを信じるのに」

何かがなければ、私は誰かを信じることなんてできない。

「私達と乃亜ちゃんには、明確な血の繋がりと家族の絆がある。それだけでは不十分かしら」

まだ、全てを話すのは怖い。だから、待っていてくれないか。
……甘えられるようになるまで、時間はかかるだろうけど。

「それでいいの。私達はいつまでも待っていてあげる。……大丈夫よ、愛しい私の女の子…」

そっと目尻にキスを落とされる。
温かい、ここは。安心していい場所だから。

睡魔の抵抗することなく、深い眠りに沈んでいった。
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