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七人目のキセキ 【黒子のバスケ】 ※修正後

第3章 幼稚園編


〜とある日の白藤家〜

「ママさんー」
「あら、どうしたの乃亜ちゃん」
「うん、バスケのボールが欲しいの!」

……これが家での私の日常だ。
気持ちわるいとか、鳥肌が立つとか言ってられないんだよっ、これが!

ちょっとでもしっかりした物言いをしようものなら両親(主にパパさん)が「うちの子は天才だ!」とか言い出すからな。
幼稚園よりさらに子供っぽくしなくてはいけないんだよ!

ちなみにママさん、パパさんとさん付けしているのは私がパパママと呼ぶのが気恥ずかしいからだ!

「バスケのボール?」
「まえにね、テレビでみてやってみたいとおもったの!」

大丈夫。今日はパパさんは他の用事をしていて部屋から出てこないはずだ。
だって、パパさんがいたら……。

「乃亜〜っ! パパに言ってくれればすぐに用意してあげるよ! ボールだけと言わずゴールも!」

うわぁ……。
来ちゃったよ、パパさん。

そう。
うちのパパさんは極度の親バカのせいで、欲しい物を言うとそれ以上の物を用意してしまうのだ……。
一般家庭では用意できない様な物を用意できてしまうのがパパさんの…いやこの一家のまずいところ。

「パパさん。そんなにいらない」
「がーんっ! そんなことを言わず、ね? ね?」
「そうよー。パパが買ってくれるって言うんだから子供は甘えなさいよー?」

ママさんまで援護しますか。

「それにお祖父様やお祖母様が聞いたらパパ以上の物を買ってくるわよ?」

はい、そうでした。
私が生まれた一族は世界中に数々の会社や不動産を所有する有数の大富豪なのだ。
もっと詳しくすると色々やっているらしいのだが、思い出したくない。

だからこそ子供のおねだりにとんでもない物を買い与えようとするのだ。
……まあ、お祖父様達に比べればまだいいほうか……。

お祖父様とお祖母様、そして一族の重鎮の方々(パパさん曰く狸らしい)は両親よりひどい。
まだ私は小学生にもなっていないというのに土地を丸ごと買い与えようとした人もいたからな……。

「わかった……パパさん、おにわにしてね?」
「もちろんだよ!」

……ああ、また無駄遣いが……所詮私の感覚は庶民だよ……

「ところでパパ? お仕事は?」
「いや……その……」
「お・し・ご・と・は?」
「やってきます……」
「よろしい」

わぁ、ママさん最強ー
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