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七人目のキセキ 【黒子のバスケ】 ※修正後

第3章 幼稚園編



生唾を飲む。

(入れ……!)

3年もバスケをやっていなかったブランクと、思う様に動かない子供の身体。
両方が相まってボールはリングに当たってしまった。

ぐら、ぐらとリングをなぞりながらボールは回って。
音を立てながらネットに吸い込まれていった。

「入った……?」

呟いたのはどちらだったか。

「どうだ? これが、私のバスケだ」

前世よりは全くできていないがな!

自信満々に祥吾を見ると、彼は瞳を輝かせていた。

「なんだよ……なんだよこれ……」

紛れもない興奮が感じ取れて、こっそりほくそ笑む。
本当ならプロのバスケを、前世の私の本気を見せてやりたかったな。

「すげぇ……すげーよ、お前!」

我慢できないといった様子で、今にも飛び跳ねそうな祥吾は私に詰め寄る。
ぶっちゃけここまで素直な感情をぶつけられると思ってはいなかった。
が、結果オーライってところか?

「面白いだろ? バスケって」

壊れた人形のように首を縦に振る彼に、苦笑がもれる。

「やってみるか」
「やりたい! おれに、バスケをおしえてくれ!」

どうやら私は彼の中にあったスイッチか何かを押してしまったらしいな。
まっ、バスケ仲間ができたから構わないか。
これで、原作が変わってしまうとしても私は、責任なんて取らないからな!



〜〜〜



「そういえば。認めてくれたんだったらお前呼びはやめないか?」
「……なまえ、よんでなかったか?」

「呼ばれてない」
「わるい……ふつうによんでるつもりだった……」

そう言ってうなだれる祥吾はかなり可愛かった。

「乃亜……あーっ! やっぱ恥ずかしい!」

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