第8章 口付けに想い
「よぉーし、じゃあ今日の練習はここまでだ!」
円堂の言葉に一斉にマネージャーが動く、花織も先日その1人となった。円堂と秋に花織がマネージャーになることを伝えれば2人もまた他の部員たちも歓迎してくれた。
「ほらほら木野先輩はキャプテン、花織先輩は風丸先輩のところに行ってくださいね!」
ドリンクを準備する秋と花織を急かすのは前回の帝国戦で花織を心配してくれた青髪の少女、元新聞部の音無春奈だ。春奈は先日の試合でサッカー部にほれ込み正式にマネージャーとしてサッカー部に入部をしていた。春奈の明るい言葉に押された花織はドリンクを風丸の元へと運ぶ。
「一郎太くん、お疲れ様」
「ああ、ありがとう」
風丸にタオルとドリンクを手渡し、短く言葉を掛けた花織は他の部員たちにも同じようにドリンクを配っていく。
「はい、半田くん。マックスくんもちゃんと水分取らなきゃダメだよ」
「あ、サンキュ」
「わかってるよーそのくらいは」
2人は花織がマネージャーになることを他の部員たちよりも一際歓迎してくれた。やはり仲が良いからだろうか、ほんの少し声を掛けただけでも話が弾む。2人の掛け合いにくすくすと笑みを零す花織を見て風丸は不機嫌そうに顔を歪めた。しかしそれを見逃さなかったのか、花織が半田たちの元から離れ、風丸の元へと戻る。
「どうしたの?一郎太くん、元気ないみたい……」
花織が不安げに風丸の顔を覗き込むと風丸は顔の前で手を振って否定する。