第7章 目に映る帝国
この試合だってそうだ、普通なら帝国は弱小チームなんて相手にしない。ならばこの試合展開も総帥の指示のはず。なにも鬼道が悪いわけではない……!そこまで考えて花織ははっと顔をあげた、どうしてあの人の擁護の言葉ばかりが胸の中に浮かぶのだろう。
風丸があれほど必死に頑張っているのだ、彼を応援しなくては……。しかし彼の姿は痛ましく胸が焼けつくように痛む。知らず知らずのうちに花織の頬には涙が伝うが花織は呆然と、ただ試合に目を向けていた。
「月島……、大丈夫か?」
静かに豪炎寺が花織の肩に手を乗せた。豪炎寺もこの1週間で風丸と 花織 の関係は知っていた。だからこそ花織に同情した。ちらと花織が潤んだ瞳で豪炎寺を見上げる。彼自身も花織と同じく悲痛な顔をしていた。
「うん……、豪炎寺くんも大丈夫?なんだかとても……、辛そうだけど」
「おれは……」
「デスゾーン、開始だ」
花織と豪炎寺の会話を遮るように、鬼道の声が響く。その言葉に帝国選手は笑みを浮かべながらますます雷門を円堂を傷つける。そして雷門選手を攻撃しながらも、鬼道はしきりに「出てこい」と誰かに問いかけている。
花織は涙を浮かべた瞳で豪炎寺に視線を向ける。さきほどから鬼道の声を聞くたび、豪炎寺くんは苦く顔をゆがめているようだ。まさか……?
「豪……」
花織が声をかけようとした瞬間だった。