第6章 雷門サッカー部
「相変わらず、仲がいいんだね。風丸くんと花織ちゃん」
「秋ちゃんだって、円堂くんと仲良いよね?」
「円堂くんはそんなのじゃないの!」
顔の前手を振って秋は否定したが、花織はそんな風には思わなかった。秋の好意は明白だ、約3ヶ月彼女を見ていてそう思った。花織は秋にそっと微笑む。早く円堂に秋の想いが通じればいいのに、だってずっと彼女は円堂を支えているのだから。
ふたりが円堂の元へ歩み寄ると円堂は既に豪炎寺に声を掛けていた。
「昨日、ちゃんと自己紹介してなかったからさ。俺、円堂守!」
元気のよい円堂の声とは裏腹に豪炎寺の表情は硬いままだ。そんな中、花織は気になったことを秋に問う。
「円堂くんって豪炎寺くんとは知り合いなの?」
「うん。ちょっといろいろあってね」
秋は小声で花織に答えを返した。円堂のやや後ろに秋と花織は並んで立ちと円堂たちの会話の成り行きを見守る。
「サッカー部のキャプテンやってるんだ!ポジションはキーパー!」
ぴくり、と豪炎寺くんが微かにサッカーという言葉に反応する。花織はすっと目を細めた。花織はサッカーが苦手だ、スポーツとしての価値があることはわかっているのだが、あれほど帝国でサッカー実力主義が進んでいればどれほどサッカーというスポーツに嫌気がさしても仕方がないだろう。もっとも授業は合間合間にサッカーが入るため、一般的な女子以上にはプレーできるのだが。
そんな中でも花織のサッカーに対しての嫌悪感は最近薄れつつあり、今は特にサッカーに対して過敏に反応することはなくなってきた。だが豪炎寺くんの反応は以前の花織と同じような反応をしている。いや、花織と同じどころじゃない、もっと酷いはずだ。
「お前も入らないか?木戸川清修ってサッカーの名門だもんな。どうりであのキック凄いはずだぜ!」
そして木戸川清修、帝国でもよく聞いた名だ。木戸川清修の豪炎寺修也……、どこかで聞いたような気がする。