第6章 雷門サッカー部
あれから2週間という月日がたった。 花織の 足の怪我はすっかり治り、その頃にはようやく梅雨も明 けてしまった。蒸し暑かった気温はじりじりと肌を焦がすような暑さに代わり、もうすぐ大きな大会があるだろうな、などと思いながら花織は陸上のグラウンドを見つめる。
「花織ちゃん!!」
秋が慌てた様子で花織の傍に駆け寄る。花織は秋の方へ視線を向けると秋の行動に首を傾げながら事情を尋ねた。
「どうしたの?」
「今日、転校生が来るんだって」
「転校生?」
花織は怪訝そうに眉根を寄せる。今は6月の終わりで転校してくるには中途半端な時期だなと思った。家庭の事情などもあるだろうが何とも不自然な時期である。
「この時期には珍しいよね」
「変だよね。でもどんな人が来るんだろ?楽しみだよね!」
秋は心底楽しそうだ、その様子に花織が微笑み2人でどんな転校生が来るのかを想像した。
***
「あああああああああっっっ!!!!」
朝のHRで転校生が教室に入ってくるや否や、サッカー部のキャプテンの円堂守が急に立ち上がって転校生の豪炎寺くんに指をさす。そして大声のオプション付きである。知り合いなのだろうか、と花織は思わず首を傾げた。
「円堂くん、知り合いですか?」
「い、いや、その知り合いってわけじゃないんですけど」
円堂は前の席の子の頭をぐいぐい押していたかと思うとぐっとガッツポーズをしていた。何か花織の知らないところで良いこともあったのだろう。とにかく彼の行動は面白くて仕方がない。花織は微笑ましい円堂の行動に思わずくすくすと笑みを零さずにはいられなかった。
「とりあえず座ってください」
「あ、はい」
円堂は教師に窘められて素早く席に着いた。そんな彼の行動がどこか間が抜けていて、また花織がくすくすと笑うと不機嫌そうにこちらを見ている風丸と目があった。こちらはどうしたのだろう、花織は風丸の方へと視線を向ける。