第5章 エールを君に
ひらひらと手を振りながらマックスが教室を去る。それと同時に半田も自分の席へと戻っていった。その二人の後ろ姿を見ながら風丸は一人、物思いに耽る。
マックスと半田には感謝してもしきれない、どうすれば彼らに礼ができるだろう……とにかく今は花織を大切にすることが2人にとって一番の恩返しになるはずだ、風丸は思う。
これから花織と一緒にいて、アイツのことを少しでも楽にしてやりたい。あわよくば、昔好きだった奴のことを忘れて俺の事だけを見てほしい。
ずっとそんな思いで胸の鼓動が逸るのだ、だからこそ今朝彼女に慣れないくせして思わず頬に口付けてしまった。正直と自分らしくないとも思うが……それでもいいと思えた、それが少しでも花織が自分を見るようになるための材料であるなら。
窓から差し込む暑い日差しを風丸は見上げる。
もうすぐ、夏が来る。