第19章 恋風の行方
豪炎寺が優しく笑いながら花織に言う。豪炎寺は、勝ちや勝負に関してかなりシビアに考えている。サッカーに対してもかなりのこだわりを持った人だ。だからこそ今花織は、自分の気持ちを整理でき視野が広がった今ならわかる。彼は相当自分に対して苛立っていたはずだ。
サッカーに関係の無い事案を持ち込んで、チームの士気を乱しかけて……。男であればサッカーボールを打ちこんでやりたいくらいには、花織に対してイライラしていたのではないかと花織は思った。
「本当にごめん。でも、もう悩まないから」
「そんなに気にするな。自分で解決できたのならそれでいいだろう」
そう言って豪炎寺がぽんぽんと花織の頭を叩く。豪炎寺は目を細め、彼にとって大切なものに花織を重ねていた。花織は背の高い豪炎寺を見上げる、そして少し困ったような笑顔を浮かべた。
「自分で、じゃないの。……秋ちゃんや土門くん、一之瀬くんや鬼道さんも……。他にもいろんな人の支えがあってやっと立ち直って自分を見つめられたんだ。決して自分一人で解決できたってわけじゃなくて……。だからね、豪炎寺くん」
花織が空を仰いだ。三日月が夜空に浮かんでいる。都会だということもあり、星はあまり目立たなかったが、澄んだ空が花織の頭上には広がっていた。大きく息を吸ってここの所ずっと考えていたことを口にする。
「私もいろんな人に貢献したいって思うんだ。マネージャーとしてチームに、そして選手にもっと協力できたらなって思うの。……私、特に今までウジウジ悩んでて迷惑かけたから、特に悩む選手の相談に乗れたらなって。今までの自分のスポーツの経験を生かして、マネージャーって立場から選手を支えてあげられたらなって思う」