第19章 恋風の行方
花織が好きなのは鬼道なのだ。
そしてその思い込みが、花織の風丸に対する好意を自分への同情なのだという想いに変換して解釈することになった。それが風丸に花織と別れるという決心をさせた。何もかも、臆病にならず一度話合っていれば済むことだったのに。
「……もっと早く、気づけてたらよかったんだろうな」
大きなため息の後に風丸が零した。その表情には自身に対する呆れが滲んでいる。今更じゃないか、本当に。花織のためを思ってやってたことはすべて花織を傷つけるだけの所作だったのか、そう思うとますます自分が情けなくなる思いだった。
だがもうすでにどうにもならないところまで来ている。現在、風丸は花織をとことん無視しているのだ。もう嫌われてしまっていてもおかしくないだろう、花織は今明るさを取り戻しているし、鬼道とは良好な友人関係を築いているのだと聞いている。謝ったところであとの祭りなのは確かで、後にも引けないところまで来ている。
「風丸」
「半田、お前のいいたいことはわかったよ。だが寄りは戻せそうもない……、俺は花織をあんなに傷つけたんだ。今更何を言ったって花織はもうきっと、今度こそ俺のことを嫌いになったと思う」
悲しげな目をして風丸が俯いた。だが半田はじっと風丸の横顔を見つめていた。そして再び彼が口を開く。
「別に俺だって、お前からよりを戻せとはいわない。何だかんだ、お前が悪いんじゃなくてはっきりできない花織が悪いわけだからな。でも、花織がもし風丸と話したいっていうんだったら聞いてやってほしいんだ、拒絶しないで聞いてやってほしい。お前がまだ、ほんとに花織が好きだっていえるなら」
「……ああ」
花織が俺と話したいなんて、そんなこときっとあるわけないだろう。そう思いながらも風丸は半田の言葉に頷いた。