第19章 恋風の行方
「……はん、だ」
「俺も、花織が好きだったから。気づいてたんだろ、風丸。……俺だってずっと花織を見てた。いや、お前らがサッカー部に来てお前らふたりを見るようになった。俺はあの日決めたんだ、花織を応援するって。花織が風丸が好きだって言ったから」
半田は、風丸が決して花織の口からは利きたくないであろう言葉を実際に聞いているのだ。他の男を好いているのだという気持ちを面と向かって打ち明けられている。しかも彼自身は眼中になく、だ。むしろそれは風丸よりも過酷な立場だったのではないだろうか。
「……」
「さすがに、未だに恋愛感情で花織が好きだとはいわない。……でも花織は、アイツは好きな人である前に仲間だったから。ずっと花織の味方でありたかったから……、半端な俺なりには花織のことを誰より知ってたつもりだ」
風丸は何も言えなかった。よくよく考えてみれば、半田は花織に対しての恋愛感情をおくびにも出さず、今まで二人にあくまでも友人として一緒に居てくれたのだ。
「確かに花織はさ、サッカー部に来たばっかのときは風丸の言うとおり、鬼道の方が好きだったんだと思う。でも、地区予選決勝の時には確実にお前の方が好きだったと俺は思うよ」
半田の意見は聞く価値がある。でも、風丸も根拠なく花織が鬼道を愛してやまないのだと決めつけたわけではない。