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恋風

第19章 恋風の行方




今まで花織はずっと彼の練習を見てきた。ドリブル、パス、フェイント、スライディング、トラップ……それらを駆使すれば円堂に向けてシュートが放たれる前にきっと相手を止められる。そのために練習を今までしてきたのだろう。彼らが……、少なくともあんなに練習してきた彼がボールが止められないはずがない。花織は確信していた、そう信じていたかった。

「…………そうだよね?」

微かに花織の唇が真偽を問うように動いた。その声はほとんどの人物には届かなかったが、花織が一心に見つめていた彼だけにはしっかりと読み取ることができた。ああ、と無意識のうちに彼は返事をしてしまう。それだけマネージャーの言葉は、久しぶりに聞いた彼女のアドバイスは胸に響いた。

「……俺たちもやろうぜ!守って守って守り抜く。奴らにシュートは打たせない」

花織の言葉は大きく風丸の胸に響いた。でもやはり不可解なのは確かだった。風丸は平然を装いながらも納得できていなかった。

どうして未だに俺を見る、今の言葉は確実に鬼道への物ではなく俺への物だった。そして正否を確かめるために微かな声で風丸に問いかけた。だがそれはどうしてだ。

みんなの団結力が高まり一つになりつつある中、風丸は一抹の疑問を抱く。
 
「やろうぜ円堂!俺たちならできるさ、みんなで力を合わせれば」

その疑問は風丸の心を明らかに揺らがせた。風丸は胸の内では酷く葛藤しながらも、自分の想いを振り払おうとする。そんな彼の心情はふとした瞬間に表情として滲み出る。気づく者は気づくのだ、そんな彼の葛藤も花織の心境の変化も。
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