第18章 君を想う
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――――――目も、合せてもらえなかった。
花織は部室の裏で蹲りながら先ほどの衝撃が波のように心の中に広がるのを感じていた。彼に酷く嫌われてしまったことを肌で実感した。きっともう、彼は花織と目も合わせたくないし、話しもしたくないのだろう。先ほどの彼の行動は花織にそう言っているように思えた。
胸が痛くて、呼吸ができなくなるほどの想いに圧迫されて今にも花織は窒息してしまいそうだ。ぼろぼろと零れ落ちる涙を堪えようと上を向いてもその涙は花織のこめかみから筋になって流れ落ちた。
――――嫌われるようなことをしたのは私だ。
自業自得、その言葉がぴったりとあてはまる。事実、花織が風丸を傷つけ今の事態に至らしめたのだから。それでも辛いものは辛い。半年前に感じたあの感覚と同じだ。
"お前なんかに興味はない"
かつて鬼道に告げられた言葉だが、先ほどの風丸の行動はそれを遥かに凌駕するほどのショックを彼女に与えていた。何しろ、無視という彼女の存在を無きものとして接したのだ。存在を認めないというのは無関心よりもたちが悪い。もっとも、花織にとってはそれだけが鬼道の時よりも衝撃が強かった理由ではないようだが。
「花織」
蹲ってすすり泣いている花織に上から声がかかる。花織は顔を上げなかった。
「花織ちゃん……」
「花織、俺たちの方を向いて」
花織が涙を未だ堪えようとしているような表情で彼らを見た。しゃがみ込んで花織を見つめ、凛とした表情をしている一之瀬と心配そうに花織を覗き込んでいる土門だ。ふたりは風丸の近くにいたから、駆けだした花織を見て急いで追いかけてきたのだろう。だがそれを花織は良しとしなかった。