第18章 君を想う
秋が寂しそうに目を伏せる。花織にはそのわけがよくわかった。マネージャーとしても円堂へ恋心を向けるライバルとしても夏未に後れを取ったことが悔しくてならないのだろう。そしてそれと同時にそんな発想が出てくることが凄いという尊敬の気持ちもあって、ただ夏未の言う見守りしかできない自分が悔しいのだと思う。
「見守り、ね……」
花織だったら、そんなこと耐えられない。見ているだけで何もできないなんて辛すぎる、でも自分が秋の立場だったらどうするだろう。マネージャーの立場だとすれば秋と同じく見守るだけで済ますかもしれないが、それが自分の大切な人だとしたらどういう手助けをするだろう。
「花織ちゃんだったら、どうする?」
「私だったら……」
彼が悩んでいたら、自分の壁を打ち破れなくて無理をして笑っているようなことがあったら……。花織は思考を巡らす。たぶんきっと、見守るなんてできない。一緒に練習して、彼の壁を打ち破るためのヒントを作るきっかけになりたいと思うだろう。もちろん、時と場合によるが。
「……見守ることも大切だと思う。それでも私は、彼の助けになりたい。大したことはできなくてもシュートでもドリブルでも彼の打開のきっかけになるためなら何でもしたい。……選手ほどは役に立てないかもしれないけれど」
彼女は未だに彼を目で追っている。その言葉はじっと誰かに焦点が向けられ語られている様に秋は思った。……彼の為にサッカーが上手くなりたいと言っていた花織ならではの解答かもしれない。そして今もその思いはその彼に注がれているのだろう。