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恋風

第18章 君を想う




「奴は今、壁にぶち当たっている。それを乗り越えられるかは円堂次第だ。乗り越えられればさらにレベルアップできるし、できなければ沈む」
「円堂君は諦めが悪いですから、そう簡単には沈まないでしょう?……もし沈みそうなら私たち、マネージャーがバックアップします」
「フッ……、そういう話を今日一之瀬たちともしたんだ。……マジン・ザ・ハンドという、ゴッドハンドよりも強い技があるらしい。円堂がそのマジン・ザ・ハンドを習得し、アイツがキャプテンとして、ゴールキーパーとしていつもの調子を出せるよう、俺たち選手が支えていかなければならない、と」

鬼道は選手で、花織はマネージャーであり、元々スポーツをする人間だ。そしてチームメイトでも感情的にならずに、客観的に選手を評価できる。こういう点ではとても鬼道と花織は相性がいい。花織は選手として、マネージャーとして忌憚なき意見や疑問を述べるし、鬼道はそれに答える。

「……女子が大会に出られないのが本当に残念でなりません」
「出たいのか、花織?」

鬼道の問いに花織が頷く。選手で在れたなら、もっとチームに貢献できる。もっとチームを良く知り、フォローができるのに。ボールを通してチームメイトの気持ちを知ることができるのに。……また彼と、フィールドを駆けることができるのに。

「出たいです。……外にいたのでは、みんなの世界は見えないから」

花織はそう言って悲しげに微笑を浮かべる。地面に転がったサッカーボールに視線を落として思った。私には見えない。フィールドを出て、陸上のトラックを出て、見えなくなってしまった。彼の世界も。彼の心も。

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