第18章 君を想う
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広い修練場内に鋭く着地音が響く。
「ふっ……」
ようやく今日も自分のノルマをこなせた。花織は息を整えながら伸びをする。彼女の気持ちは時間の流れによって、またさまざまな人物の助言により落ち着きを取り戻した。そして以前のような凛とした芯の強さを瞳に再び映すようになった。もちろん、内に秘めている気持ちはある。だがそれを微塵も外へ見せなくなっていた。
マネージャーとして積極的に選手のサポートに当たり、終了後はこうして修練場のマシンを使って身体を動かしている。言わずもがな許可は得てだ。今はちょうどそのマシンが停止したところなのだ。
「レベル4も、もういいかな……」
先日はやけを起こしてきた場所だが、今は単純に身体能力の向上を目的にここへきていた。土門と秋には誰にもこのことを話さないよう、固く口止めをして。しかし花織が軽いストレッチをし、身体を伸ばしていると、彼女のほか誰もいないはずの修練場に厳しい声が響き渡った。
「またここにいたのか、花織」
その声に花織は驚き、焦る。振り返ると遠くに特徴的なドレッドヘアが見えた。もうそれだけで、それは誰であるかなど簡単にわかってしまう。
「き、鬼道さん……」
「全く、俺は以前にお前に無茶なトレーニングはやめろと言ったはずだが?」
つかつかと彼は花織のいる壁際へ歩み寄ってくる。わずかに憤りのようなものを見せている鬼道に対して、花織はばつの悪そうな顔で俯いた。
「どうして……、私がここだと?それよりどうしてこんな時間に」
「俺は、お前がまだ俺を避けていた時から、お前が怪我をしているのではないかと疑っていた。……最近は試合の関係で有耶無耶になっていたが、今日は土門を付けてお前がここにいるということを確認した」