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恋風

第18章 君を想う




いや、もしかすると付き合い始めたのかもしれない。鬼道と話している花織の表情は無邪気で、楽しそうでそれでも凛として意見を述べたりしていて……。自分と居た時よりもずっと綺麗に見えてしまう。事実そうなのかもしれないが、それが無性に悔しい。

花織が自分の手中に無いことが堪らなく嫉妬と劣等を風丸に覚えさせた。これが自分の望んだ花織の幸せだったはずなのに、引き裂かれるような胸の痛みを未だ感じている。花織ともうどれくらい話をしていないだろう、どうせ精々1,2週間だろうが、それでももう何年も話していないかのように感じる。花織とボールを蹴り、フィールドを駆けていた時がまるで遠い昔の事のように思えた。

――――本当は手放したくなんてなかったのに。

上辺では後悔も動揺もすべて包み隠しているつもりだ。だが、内心では自分をすべて塗り替えてしまいそうな彼女への想いで溢れている。花織を手放してしまったことが未だに未練となって胸の中で燻り続けている。だがその未練はもう断ち切らなければならないもので、風丸には選択肢などなかった。

もう、彼女の邪魔をしてはいけない。もうこれ以上彼女を悩ませないためには、自分が彼女から遠ざかるしか道はないのだと風丸はそう思っていた。

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