第18章 君を想う
アメリカからの帰国子女、一之瀬一哉がチームに加わり、全国大会常連校で豪炎寺の前中学である木戸川清修中学に雷門中学は勝利した。これで決勝戦への駒を進めた事になる。
あと一試合、世宇子との決勝戦にさえ勝利してしまえば、廃部寸前だったあのサッカー部が全国一となるのだ。そんな興奮と今後の課題も相まってサッカー部は妙な緊張状態にあった。先日の試合前の小さな出来事は当事者以外の中からは消失しつつあった。
―――――この頃は、花織に笑顔が増えたと思う。
遠目に一之瀬、土門、秋と談笑している彼女の姿を風丸一郎太は見つめていた。最近はあの面子で、よく一緒に彼女は過ごしているような気がする。木戸川戦を終える前あたりから、暗い面持ちをしていた花織が彼らに励まされて元気を取り戻していくのが分かった。
依然、彼女がもしかして怪我をしているのではないかという疑いはそのままだったが、それでも確かに彼女は笑顔になった。加えて彼らだけではなく、最近は鬼道も花織と2人で話している姿を見かける。
さすが鬼道、花織とすでに仲直りをしたのだと風丸は思った。