第3章 淡く、そして儚く
花織が立ち上がったと同時に背後からマックスが花織に声を掛けた。彼は右手にコンビニの袋を下げている。その後ろには同じように袋を下げた半田の姿もあった。花織は彼らの方を振り返り、首を傾げながら言葉をかける。
「マックスくん、半田くん。今日は秋ちゃんも一緒にお昼にしたいんだけど。……いい?」
「俺たちはかまわないけど……木野はいいのか?」
「うん!一緒に食べよう!」
3人は花織の近くの椅子と机を動かし机を合せる。そして誰が声を掛けるでもなく各自のお弁当を開け始める。だが花織だけは弁当を鞄から取り出しもせずにぼうっと手を見つめているだけだった。
「あれ?花織食べないの?」
「あ、うん。食べるよ」
サンドイッチを頬張りながらマックスが不思議そうに花織に声を掛ける。マックスの言葉に花織は慌てて弁当を鞄から取り出した
「どうしたの?今日の 花織ちゃん変だよ?」
秋が心配そうに花織の顔を覗き込む。その眼差しになんとなく花織は申し訳なさを感じた。別にどこが悪いというわけでもないのに。
「何か悩みでもあるのか?」
半田が花織に尋ねる。花織は俯きながら小さく返事を返した。
「ちょっと……気になる事があって」
「え、何?どうしたの?」
マックスが興味津々に身を乗り出した。ここは……素直に三人に甘えることにしよう。花織は意を決し、この頃風丸に対して感じている感情のことを手短に話した。その話を聞いて秋とマックスは微笑ましげに笑い、半田だけは何故か不機嫌そうに顔を顰めていた。